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​AKIRA WATANABE  渡辺 玲

​インド&スパイス料理研究家、カレー&スパイス伝道師。

1960年、東京生まれ。

早稲田大学第一文学部美術史学専攻卒業。在学中はロックバンド稼業が忙しく留年、食や料理の世界ともほぼ無縁だったが、テレビの料理番組を観るのはなぜか好きだった。また渋谷「ムルギー」などには、ときどき足を運んだ。

1984~86年、キングレコードでディレクター職に従事、日本のロックを中心とした原盤制作に携わる。同時にこの時期、バブル台頭とともに急激に勃興しつつあった「アジアのエスニック料理」に興味を持ち、九段下&麹町「アジャンタ」、代々木「アンコールワット」、有楽町「チェンマイ」など、当時はまだ珍しかったアジア各国料理の専門店に通うようになる。同時にインド、カルカッタにある「ドーセン」社の瓶入りカレーペーストをベースに、いろいろなスパイスや食材を突っ込む自己流カレーを作っては一人悦に入っていた。

1986年の夏前、マガジンハウスの人気雑誌『ブルータス』が、自ら調理もこなす人気写真家、西川治氏を起用し、画期的ともいえるインド取材を敢行(デリー、ボンベイ、ゴア、コーチンなど)。その成果をメインとした、実質「インドにおけるインド料理特集」号を発売した。

 たまたま都内の書店でこの雑誌を見かけた私は、店頭で夢中になってページを繰った。もちろん見たことも食べたこともないが、やたらおいしそうな料理の写真。あるいは妙に親近感を意識させる食堂や家庭での食事風景を活写した写真。素晴らしい写真と記事の連続に圧倒され、魅了され、一気に読み切った。そして今、自分がやるべきなのは、「東京で他人のレコードづくりの手伝いをすること」ではなく、「インドに行き、本物のカレーを食べることだ」とはっきり悟った。

 この年の師走、レコード会社を辞め、初の海外旅行としてインドに旅立った。喧噪の魔都カルカッタと、元ヒッピーが多い沈没地オリッサ州ブリーに計1か月滞在。初心者なりに本場のインドカレーを堪能した。

 帰国後、「日本で一番好きなインド料理レストラン」である「アジャンタ 」の麹町店にまったくアポなしで伺い、たまたまそこに居合わせた社長夫妻に面接していただき、雇用が決定。こうして偶然の積み重ねの中、私のインド料理人生がスタートした。

以来、30年以上インド料理をつくり、1997年からは教えてもいる。私の料理教室で学び、独立開業、繁盛店のオーナーとなった人も全国に多数いる。

カレーやインド料理に関する本も数多く書いている。主なものを挙げると

『カレー&スパイス伝道師がおしえる 四季の食材でつくる スパイスカレー入門 』(スタンダーズ)

『スパイスの黄金比率で作るはじめての本格カレー』(ナツメ社)

『新版 誰も知らないインド料理』(光文社 知恵の森文庫 )
​『カレーな薬膳』(晶文社 2003年)

『夏カレー冬カレー』(共著、大泉書店、2012年)

『市販のルウだけでごちそうカレー』(ぴあ、2012年)

『ごちそうはバナナの葉の上に』(出帆新社、品切れ)

『誰も知らないインド料理』(出帆新社、絶版)

 

レトルトカレー、カレーペースト、カレールウ、カレーフレーク、カレー粉、ガラム・マサラから、スパイス入りソーセージ、スパイス風味のスナックに至るまで、一般小売・業務用問わず、商品開発の実績多数あり。

また、カレー店やインド料理レストランの開業支援、メニューの開発管理、経営指導等でも実績多数あり。必要とあれば、厨房設計まで手掛けることも可能。

インドに関して、また世界各地において料理以外の音楽などにも造詣が深く、雑誌「ブルータス」、ダイヤモンド社「地球の歩き方」シリーズのインド方面ガイドブック等に寄稿している。

   

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